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■平成22年度税制改正大綱の内容について(3)

 続きまして法人関連の22年改正内容を見ていきましょう。

1)グループ内取引に関する税制
 100%の親子関係にある法人グループ内での取引については下記のような税制の整備が行われます。
 イ.グループ内での資産譲渡については課税を行わず、グループ外に移転されたときに移転をした法人に課税する。
 ロ.グループ内での寄附金は支出法人では全額損金不算入、受領法人では全額益金不算入とする。
 ハ.グループ内での現物配当については譲渡損益を繰り延べる。
 ニ.グループ内の内国法人の株式を発行法人に譲渡する際は譲渡損益を計上しない。

 このグループに関する税制の整備については、ちょっと不勉強のためその効果と目的がよくわかりません。一見これを利用すれば企業グループの資産整理などが容易に行えて、良い事業・資産と悪い事業・資産の仕分けを行うことで投資の集中と効率化がはかれるように思えるのですが、連結納税とのカラミもあるようにも書かれていることもありますのでよくわかりません。

2)中小企業向け特例措置の大法人の100%子法人に対する適用
 資本等の額が5億円以上の法人等の100%子法人(資本金等が1億円以下に限る)については下記の特例を適用できなくなります。
 イ.軽減税率
 ロ.特定同族会社の特別税率の不適用
 ハ.貸倒引当金の法廷繰入率
 ニ.交際費課税における定額控除制度
 ホ.欠損金の繰戻還付

 これは本来上記1)と同じ括りで書かれている内容ですが、あえて分けてピックアップしました。内容は読んでお分かりのように、大規模法人の100%子法人については一般的な中小企業に適用される税務の優遇措置を受けさせない、ということです。グループ課税という観点から言えば当然な内容ですが、これも「100%」が条件のようですから株式の一部を移転させた場合にどう取り扱うことになるのかが焦点だと思います。

3)特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度の廃止
 各方面から批判の強かった本制度がようやく22年4月1日以後に終了する事業年度から廃止されることになりました。ただし個人事業主とのバランスを考慮した「二重控除」の問題については23年度税制改正で抜本措置を講じるそうです。

4)少額減価償却資産の特例の延長
 取得価額が30万円未満の少額減価償却資産の取得時における損金算入制度は2年間延長されます。

5)交際費課税
 従来通りの内容で2年間延長されます。中小法人の特例もそのまま2年間延長されます。

6)使途秘匿金課税
 従来通りの内容で2年間延長されます。

7)欠損金の繰戻還付
 中小企業者以外の不適用措置が2年間延長されます。


 今回の改正の目玉はグループ内取引に関する税制の整備と特殊支配同族会社業務主宰役員給与の損金不算入制度の廃止だと思います。

 グループに関する税制については先ほども書きましたように、事業整理を行う上で支障になっていたグループ内取引に関する課税を繰り延べてくれるのは有り難いのですが、この不景気の中そんないい話ばかりではないような気もしています。

 また特殊支配同族業務主宰役員給与の損金不算入制度の廃止については、当初より制度自体に疑問を感じ続けていましたので、これは有り難い話です。そもそも法人と個人は形態が異なるわけですから、そこに主宰者個人の課税のバランスがおかしいと当局が指摘し、代表者一人だけをピックアップして「個人の」給与所得控除額を「法人の」所得計算で否認(加算)すること自体がナンセンスではないかと思います。

 そもそも法人と個人では存在が全く違うわけですから、法人課税と個人課税が法律で別々に規定されている以上、そのバランスに多少のずれが生じることはある意味当たり前のことだと思います。しかも今は国際競争の問題で各国ともに法人税率を引き下げようとしている中において、このような一部の同族法人だけ無理矢理課税バランスの問題から課税強化することには大きな疑問を感じます。(もちろんなぜこの税制ができたのかという理由は十分承知していますが。)

 個人も法人も税制の枠組みの中で合理的に動くのは当然であって、法人を設立する方が合理的だと考える事業者は法人を設立すればよいし、個人事業主でいるままの方が合理的だと考えるなら個人事業主のままでいればよいわけです。その経営上の合理的判断を行う上で税金が判断基準に入ってくるのは当然ですし、また同時に法人を設立するのは何も節税のためだけではありません。

 仮に節税が目的であったとしても従来の税法の枠組みの中でそのようになっていたのですし、法人を設立し法人課税を受ける面倒やデメリットも考慮した上での経営判断なのですから、そのこと自体は何ら批判を受ける筋合いの話ではありません。

 また特殊支配同族会社に該当する法人であっても、長期間に渡り多数の従業員を雇い、既に多額の法人税と所得税を納め、単なる節税目的に設立された法人とは比較にならない経営と社会貢献をおこなっているケースも少なくありません。そんな法人の業務主宰役員までもが単に株主構成の面から判断されて給与所得控除額相当を法人所得に加算されるということの理由がわかりません。

 今回の改正で廃止になってくれたことには一定の評価をしたいと思いますが、しかし制度の再構築を示唆するような文言が大綱に記載されていましたので、来年以降同じような制度を蒸し返さないようにだけして欲しいものだと感じます。

 では次回は消費税や他の改正について触れたいと思います。

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