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■役員退職金損金算入に関する判例

 先般長崎地裁において会社代表者の妻が役員から監査役に退いた際に支払った退職金が損金算入可能かどうかの判断があったようです。地裁での判断は「損金算入可」というものでした。これは国側が控訴しなかったため、地裁の判決をもって確定したようです。

 従来からこういったケースでは判断に迷うことが多く、もちろん実質(職務内容等)から判断して実際に役員を退職して監査役になっているのであれば、それを否定することはいかに税務当局といえどできないのではないかと考えられていました。退職金を支給することが実態をねじ曲げて税負担を不当に軽減させることが目的の行為で在ればこれは当局より否認を受けることもあるでしょうが、実質において何も不当な意図がないのであればこれを否認することはできないでしょう。

 ただやはり中小の法人においては同族のファミリー企業がほとんどですから、そのあたりの「実質」の判断が曖昧になり、ともすれば自由自在に仮装することもあり得ますから、税務当局が細かくチェックを行うのは当然だろうと思います。そのために通達(9-2-32)において、例えば「常勤役員が非常勤になった」、「取締役が監査役になった」「報酬額がおおむね従来の半額以下になること」と損金算入が認められるものを例示しています。時々この通達の例に表面上合致していれば全て損金算入が認められるという意見も聞きますが、これらの例示はあくまで実態・実質が伴ってこその話であって、通達の表面的な例示をもってこれを絶対的な損金算入の条件と考えるのはいささか本末転倒ではないかと思います。

 ということで今回の判決ではどうだったかと言えば、実質から見て役員の妻の職務の変化や、役員を従前通り続けていけない客観的・合理的理由などを根拠にして損金算入を認めたようです。ですから今回のケースでは実質的に役員退職が認められるため、通達9-2-32に例示されている「分掌変更後の当該役員の給与の激減(おおむね50%以上)」は満たしていなくても損金算入が認められるという判断も示されました。私たちが直面するケースでも、例えば役員退職直前の役員報酬が既に月額20万円と少額になっている場合であれば、それをわざわざ50%以下の例えば月額9万円に減額する必要があるのか、というのは正直疑問に感じていた点ですので、ここは今回の判例でクリアになりました。

 今回の判例はとても実質・実態を重視した妥当な内容であると思います。今後の実務判断においても、結局は役員退職金の損金算入判断は実質と実態が大切なのであって、仮にそれが結果的に法人の少なからぬ節税につながったとしてもあくまで実質を伴う役員退職と退職金支払いに伴う副産物としてもたらされたのであれば通達9-2-32に必ずしもとらわれる必要はないといえるのだと思います。

 もちろんこの判例をもってして「通達の例示を満たさなくても大丈夫」と早合点するのではなく、あくまで実質・実態から見て役員退職の事実と役員退職金支払いの妥当性があれば損金算入が認められる要件になる、と慎重に判断していく姿勢が大切だろうと思います。

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